前回までのブログでは、「霊の叫び声を聞いた」、「親戚のおじさんが同じ病室で入院している」などと、どう考えてもあり得ない話を言い出したことなどについて書いてきました。
今回のブログも、肺がんの転移性脳腫瘍の手術後に父に現れたおかしな言動についてです。
ちなみに、前回までのブログでは、父から言い出したことについて書いてきました。
しかし、今回は、私から、霊体験などは無かったのかを聞いてみたときの話です。
その点が、今までは少し違うところです。
そもそも霊体験はあったのか
父は、小脳にできた肺がんの転移性脳腫瘍の摘出手術を行った後、合併症の脳内出血が発生して、一度昏睡状態となりました。
この時は、もういつ死んでしまってもおかしくない状況で、私達家族は、再手術が無事に成功するのをICU前でハラハラしながら願っていました。
見守る側であっても、生きた心地がしませんでした。
※この時のことは以下のブログを確認してください
結果的に、手術は無事に成功して父は生還することができました。
それからしばらくした後で、昏睡状態中に霊体験などはしなかったのかと聞いたことがあります。
たとえば、よく言われている、幽体離脱です。
病院のベッドで寝ている自分の姿を、上から眺めたりしたという話とか、聞いたことありませんか?
しかし、父はそんな体験は一切無かったようです。
そのため、幽体離脱と同じくよく言われている、三途の川も見ていません。
川を渡ろうとすると、対岸にいる先祖の霊に「まだ早い」とかを言われて、来た道を引き返すと、意識を取り戻して目を覚ますことができたなどいう話です。賽の河原とかの話もありますね。
「せっかくだから、それくらいの体験はしておきたかった」と、笑い話になって終わってしまいました。
なにも覚えていない
そもそも、父は自分が昏睡状態になったことすら覚えていませんでした。
脳腫瘍という病気だったこともありますが、自分がそんなに危険な状態だったことも分かっておらす、目が覚めてからも、なぜICUにいるのかということさえ、全く理解できていなかったのです。
まさに、何が何だかわからない状態だったと思います。
小脳と前頭葉のそれぞれに腫瘍があり、2回も手術をしたんですが、まあ当然のことだとは思います。
そんな感じで、死後の世界の存在を父から確認にすることはできませんでした。
仮にそういった記憶があったとしても、脳腫瘍を抱える患者の話なので、これまでのブログでも書いてきたように、想像である可能性はかなり高いかもしれませんが。
とくに、父のように前頭葉に腫瘍がある場合は、現実と空想の区別ができなくなってしまうのかもしれません。
しかし、話はそれだけで終わらなかったのです。
幽体離脱をしたと言い出す
以上までの話だと、幽体離脱も三途の川もみなかったという、オカルト的には別に面白くはない結末です。
しかし、以上の脳の手術から約1年半が経った頃です。
いきなり、父が不思議なことを言いだしたのです。なんと…
「自分を上から眺めていた」と言い出したのです。
この時、父は療養型の病院に入院していました。
入院した理由は、誤嚥性肺炎を起こしたためです。かなり危険な状態でした。
そのため、お見舞いに行ってもほぼ寝ているだけの状態が続いていました。
もしかすると、このまま亡くなってしまうのではないかと思った時、ふと、父が幽体離脱のことについて言い出したのです。
いざ幽体離脱したと言われると怖い
脳腫瘍の手術が無事に終わり、私から霊体験をしたのかを父に聞いた1年半前の時は、とりあえず危機的状況は脱していたこともあったので、それを笑い話にすることができました。
しかし、誤嚥性肺炎で今にも危険な状態にある中で、幽体離脱をしたというようなことを言われると、洒落にはなりません。
ただ怖くて仕方ありません。
こんな兆候が現れるということは、お迎えか近いかもしれないと思えたからです。
この時だけは、こういった霊体験の話は父のたんなる空想であってほしいと強く願いました。
どうやって戻ってきたのかは不明です。また、それ以降、父がそんな不気味なことを言い出すことはなくなりました。
ちなみに、その後は誤嚥性肺炎も完治して、今でも無事に生きています。
いやあ、本当に冷や冷やしましたよ。
おわりに
幽霊や死後の世界といった類いの話については、基本的に私は懐疑的でした。
しかし、興味はあったのだと思います。
だから、昏睡状態になった時も、「三途の川は見たのか?」などと父に聞いてみたのだと思います。
こんな感じで、そういう世界があれば面白いなと今まではなんとなく思っていましたが、いざ、病気の身内がそんな体験をしてしまうと、少し怖くなります。
こういった言動が、死期を予知するもので無ければいいのですが。
とりあえずは、幽体離脱の発言以降もなんとか生きながらえていることができているので安心していますが、今後もこのような妙な発言があった場合には注意する必要がありそうです。