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【要注意】肺がんの父に現れていた3つの兆候【発覚の前触れ】


がんが発見されたきっかけは、人間ドックや健康診断の受診が一般だと思います。もちろん、発見されるまで、全くの無自覚だったという場合もあると思います。しかし、診断されてから思い出してみると、なんらかの自覚症状に心当たりがあるという人も多いのではないでしょうか。

こういった自覚症状は、よほど重篤なものでない限り、検査を受けに行くという行動までに結び付けられるものではないと思います。

しかし、本当に取るに足らない体の変化が、実はがんの初期症状だったというケースも十分に考えられます。実際、肺がんになった私の父がそうでした。咳や痰といった肺がん特有の症状がでる2年も前から、体に変化が起きていたのです。知っていれば、早期発見が可能となっていたのです

今回紹介するのは、肺がんと診断されるまでの父の経緯であり、全ての肺がんに必ずしも当てはまるものではないと思います。しかし、知っていて損をすることではないと思うので、一読していただければ幸いです。

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突然やってきた肺がんの症状

年明けに胆嚢を摘出した父ですが、それからしばらくは穏やかな日々を過ごす事ができました。体の調子も良く、再び、引退後の悠々自適な日々を過ごしていました。胆嚢を取ったことによる体調の変化も全くありませんでした。心配していた便通にも変化はなく、とにかく自分の時間を自由に使い、健康であることを満喫していたと思います。

しかし、人生とは、なかなかうまくいかないものです。こういったときを見定めたかのように、苦難が襲ってきます。よく、会社を定年退職した途端に病気を患うという話を聞いたりしますが、やはりそういうものなのでしょうか。

1.咳と痰

春頃から、父は体調の異変をうったえていました。咳や痰が頻繁にでるようになったのです。

ただ、発熱などはなく、基本的にはとても元気で、電話で話をしていても健康な父そのものです。そのため、私もこのときは特に心配はしていませんでした。風邪をこじらせたのか、または花粉症かなにかになったのかと、咳や痰についてはあまり気にしていなかったのです。

今でこそ、咳は肺がんの見逃せないサインだとすぐに考えますが、まさか父ががんを患っているなんて、この時は夢にも思ってもいませんでした。それよりも、胆のうを取ったことによる影響や、後述する「むくみ」のことの方が心配でした。

ところが、事態は少しずつ深刻化していきます。日を追うごとに咳や痰がでる頻度が高くなってきたのです。咳そのものは小さなもので、「コホッコホッ」といったものです。痰は透明なものが出ていました(最終的には血痰が出るようになりました)。それがいつまで経っても治まらないのです。電話で話をしていても、ずっと咳ばかりしています。

父は、このような咳の症状は結核かもしれないと自己診断していました。たしかに、結核は小さな咳が出ると聞いたことがあります。結核も怖い病気なんですけどね。

それでも、人間は不思議なもので、きっと風邪に違いないから大丈夫だと楽観的に考えてしまいます。むしろ、楽観的に考えようとしているのかもしれません。咳や痰は健康な人でも出るので、すぐには深刻な病気だという考えに繋がらないか、もしくは考えたくないのかもしれません。とにかく、小さな「コホコホ」という咳は、結核の可能性も含めて要注意です。

2.むくみ(浮腫)

むくみも出始めていました。これは、最初は足だけでした。しかし、全身に広がりどんどんと悪化し始めてきました。とくに、体の末端のむくみがひどく、手と足はパンパンになっていました。例えるなら、赤ちゃんのような手足になっているのです。ふくらはぎはもちろん、足の甲、足の指もパンパンにむくんでいました。

むくみがひどくなると、歩くことが困難なります。関節を曲げられなくなるためです。父は、運動不足がむくみの原因かもしれないと考えて、体を動かそうと試みていました。しかし、日に日にむくみは悪化して、とうてい運動などできる状態ではなくなってしまいました。

外に出ても、杖を使って100メートルほどしか歩くことができません。家では、階段の上り下りが辛かったようで、トイレに行くことさえもやっとの状態だったそうです。さらに症状が悪化すると、横になることしかできない状態になってしまいました。

間接の痛みもありました。むくみが原因となっていたかもしれませんが、もしかすると、むくみとは別に、がん細胞が間接に痛みを与えていたのかもしれません。特に膝関節の痛みがひどく、これが歩行するときに強く現れます。膝以外の間接にももちろん痛みがあり、それは指間接にまで広がっていました。本当に見ていられない状況でした。

咳や痰だけの症状であれば、「肺がん」という考えにすぐに行きついたかもしれません。しかし、「むくみ」も発生したのが混乱を招きました。この2つがどうしても結びつかず、当時は、腎臓の病気になったのかと心配していました。

いずれにせよ、どう見ても異常な状態なので、何かの病気であることは間違いないとは確信していました。全身がむくみだすと、とても直視できるような状態ではなくなります。そのため、咳や痰がでることよりも、この「むくみ」のことが本当に心配でした。

3.ばち指

父の肺がんで現れた大きな異変としては、指の変化も挙げられます。指の先端が丸みを帯びてくるのです。これは、指が太鼓のバチ状に見えることから、「ばち指」または「ばち状指」といわれる症状です。呼吸器疾などに伴って現れる症状だそうで、肺がんを患った父にはこの症状が、手だけではなく足の指にもくっきりと現れました。

ただ、このばち指の症状については、父は気づいていませんでした。私が指摘して分かった症状です。ゆっくりと進行するためか、本人は気付きにくいのかもしれません。しかし、父の場合、その症状は、「咳・痰」や「むくみ」よりも先に現れていました。

当時の私は、上述の父の「咳・痰」や「むくみ」が気になり、頻繁にインターネットで情報を収集していました。そうすると、やはり肺がんの可能性に行きつきます。

ただ、それでも父が肺がんかもしれないということを信じることはできず、咳やむくみ以外での症状もいろいろと調べていました。すると、肺がんには、このばち指も現れることがあるということを知りました。まさかとは思いながらも父に指のことについて尋ねてみると、なんと父にもばち指が発生していたのです。

父が教えてくれたのですが、ばち指になると、物がつかめなくなるそうです。人間の指先は絶妙な形をしているようで、小さな物でもつかめるようにできています。しかし、ばち指になって指先が丸くなると、それができなくなってしまいます。しかも、父によると、この症状は、なんと咳やむくみが現れる2年前から発生していたそうです。

当時、父は公園で木の実などを拾う趣味があったのですが、2年前からなかなか拾えなくなっていたそうです。そのときは理由が分からず、老眼になったからだと思っていたそうです。しかし、私の指摘受けた後、自分の指を改めて確認すると、指が原因でものがつかめなくなっていると気づきました。

父に現れた肺がんの症状の順序

これはあくまでも父の場合ですが、「ばち指」→「咳・痰」→「むくみ」の順で症状が現れています。とくに、ばち指については、咳や痰の症状に気づく2年前から現れています。

つまり、2年前からすでに肺がんを患っていた可能性があったのです。この時に気づいていれば…と今でも思うのですが、指の変化にはなかなか気づけるものではありませんし、まさかそれが肺がんのサインであるとは到底考えることはできません。

また、肺がん患者に必ずしもばち指が発生するわけでもないそうです。それは、咳やむくみでも同じですね。患者によって、健康状態、がんの種類、発生場所なども異なるので、症状ももちろん異なります。咳が出ていないから肺がんではないとも言い切れません。

しかも、父は肺がんの症状が顕在化する数カ月前に胆のうの摘出手術を受けており、その過程で、胃や大腸の内視鏡検査も受けています。肺や他の臓器の精密検査を受けたのかは覚えていませんが、そのときには胆のう以外に異常は見つからず、元気に過ごしていました。

私自身、精密検査を受けて問題が見当たらなかったのだから、父は健康だと確信していました。それゆえに、油断していたのだと思います。

肺がんの症状の結末

手術については、別で詳しく書こうと思っているのですが、外科手術で摘出することができています。そして、父の肺がんに伴って現れた「咳・痰」、「むくみ」、「ばち指」の症状ですが、手術が終わると見事に全て治まりました。

咳や痰はともかく、手足のむくみやばち指などは、未だに肺がんに関係があったのかと考えてしまうのですが、ピタッと治まったのでやはり関係があったのでしょう。

とくに、むくみが治まったのは本当に驚きでした。身動きが取れずに寝たきりだった状態から、以前と同様に歩けるようになったのです。関節の痛みも消えました。なにより、むくんだ体は見ているだけでも悲惨だったので、症状が治まったときは本当に嬉しかったのを覚えています。もちろん、咳や痰も出なくなり、ばち状だった指も元の形に戻りました。

直径数センチ(確か5㎝だった)のがん細胞1つが、これほどまでに体に影響を与えるのかと思うと本当に不思議です。なお、父のがんは肺腺がんで、その後、脳に転移していたことが判明しますが、他の臓器への転移は今のところみられていません。たった1つの癌だけでここまでの症状が出たのです。

おわりに

少し長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。

以上の症状は、あくまでも父に現れた症状であり、肺がんの兆候の1例に過ぎません。肺がんには、父には現れなかった症状もたくさんあると思います。

しかし、先にも触れたように、ばち指が出た段階で肺がんを見つけることができていれば、全身の強烈なむくみなどで苦しむ必要はなかったわけですし、もしかすると、後に発生する脳転移なども防げていたかもしれません。「たられば」を語り始めればきりがありません。

ただ、父の経験から、同じような思いをする人を少しでも減らすことができればと思い、気合いを入れ書きました。

長く続く小さな咳やばち指には、とくに注意してください。