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【2回目の手術】前頭葉に転移した腫瘍の摘出[穿頭手術]

肺がんの転移性脳腫瘍の摘出手術の2回目です。

1回目は小脳の腫瘍を取り出しましたが、2回目の今回は、前頭葉の腫瘍に対する手術です。

※詳しい手術の内容については、前回のブログの通りです。

【再び余命宣告】前頭葉の転移性脳腫瘍に対する手術の説明[穿頭手術]
肺がんの脳転移によって、小脳と前頭葉に腫瘍が発生した父ですが、小脳の腫瘍については、7月5日に開頭腫瘍摘出術によって取り出すことができました。※この時のことは、下記のブログの通りです。小脳の摘出においては、術後に、脳内出...

手術内容を簡単に説明すると、今回の前頭葉の腫瘍については、取り出すのではなく、穿頭手術という、リザーバーチューブを腫瘍に突き刺して、腫瘍の中の液体を取り出せるようにするという手術です。

つまり、腫瘍は液体を抜かれてしぼむものの、脳内に残ったままになるということです。

また、この液体はまた増えてくるので、都度抜かなければならりません。そのため、摘出のように、完全に取り切るというわけではありません。

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手術日がやってきた

術後に合併症が発生した小脳の手術が7月5日。

ここで昏睡状態になってしまったことから、残った前頭葉の腫瘍の手術はどうなってしまうのかと心配していましたが、7月8日に手術の説明があり、予定通り7月11日に手術を行うことになりました。

目まぐるしいペースでいろんなことがあるので、息つく暇さえないような気分でした。

心配するだけでも疲れるのに、これだけのスピードでことが進むと、まさに疲労困ぱいとなります。

ただ、素早く対応してくれるのは、大変有り難くもありました。

癌は、時間が経過するとともに悪化していきますから。

肺がんのときがそうでしたが、状態がどんどん悪化していくのに、どうすることもできずに待つというのも、なかなか辛いものがあります。

今回の手術そのものについては、小脳の手術の時ほど心配はしていませんでした。

脳にチューブを突き刺すというのは怖いですが、もっとも怖いのは出血なので、摘出しないという点で、その不安はあまり感じてはいませんでした。

摘出してほしいという気持ちもありましたが、前回のように脳内出血が発生してしまうのは恐ろしいですし、摘出した場合の後遺症も不安でした。

摘出を試みた場合には、寝たきりになるほどの後遺症もあり得ると言われていました。

なにより、余命は半年と言われていたため、これ以上無理はさせたくないという思いが私にはありましたし、執刀医の先生にも当然あったと思います。

ただ、この前頭葉に残された腫瘍は、なかなか厄介で、この手術から約1年半が経過した今でも父に猛威を振るっています。

今は少し落ち着きましたが、状態が悪い時は完全に寝たきりとなり、言葉すら発しなくなってしまったので、どうせならリスク承知で摘出してもらっても良かったのかもと、時々思います。

もちろん、こう思えるのは、父が余命よりも長生きしてくれているからなので、贅沢な「タラレバ」なのでしょう。

いずれにせよ、何も治療しないわけにはいかないので、この度の穿頭手術が行われたわけです。

手術は無事に成功

手術は、予想通り何の問題もなく成功で終わりました。

前回の小脳の手術の時は、成功の知らせの後に、急激に状態が悪化したため、術後も油断はしていませんでしたが、なんとか合併症も発生せずに手術を乗り切ることができました。

前回の手術の時は、本当に大変だったので、腫瘍を摘出しない手術だったにせよ、ホッとした気分でした。

小脳の腫瘍の摘出手術のことについては、以下のリンクに書いています。

【肺がん・脳転移】開頭腫瘍摘出術[小脳]
ついに、7月5日に父の脳腫瘍の摘出手術が行われることになりました。ブログの標題に示した手術名の通り、頭を開けて腫瘍を取り出す手術です。手術を受けるのは父ですが、家族である私であっても、考えるだけで怖くなる手術でした。とにかく、こ...
【脳腫瘍摘出】手術後に合併症(脳内出血)発生!昏睡状態となり再手術…。
前回のブログの続きです。父の肺がんの脳転移の手術が成功して、喜んでいたのも束の間、いきなり崖に突き落とされるような出来事が発生しました。手術開始から完了まで概要を簡単に説明すると、私の父は、肺がんの脳転移によって、前頭葉と小脳にそれ...

術後は丸坊主にタンコブ?

手術後に父の顔を見た時は、つい笑ってしまいました。

①丸坊主になっていた

まず、丸坊主になっていたのが可笑しかったのです。

手術のために髪を切られたのですが、初めて見る父の坊主頭がとても面白くて仕方なありませんでした。

父自身、坊主頭頭にしたのは、中学生以来だそうです。

なお、この日以降、父はずっと坊主頭頭です。

脳腫瘍が発生していることも分からない時は、何故かしきりに散髪に行かなければと言って家族を困らせていましたが、自宅のバリカンで坊主頭にすることで、それも解決しました。

※散髪に行きたがっていたときのことは以下のリンクの記事に書いています。

【脳転移発覚の前兆8】無気力・自発性の低下
脳腫瘍といっても、転移が起こる場所でその症状は様々だと思います。また、発生する腫瘍が1つだけども限りません。私の父は、前頭葉と小脳にそれぞれ発生したので、余計にややこしかったのだと思います。とくに、前頭葉は、人間性を司る脳で...

そもそも、一部、頭の骨が無い状態になっているので、床屋さんに連れて行ったとしても、不安で仕方ないと思います。

なにより、床屋さんが気の毒ですね。

②タンコブのような膨らみがある

術後の父を見て笑ってしまったもう一つの理由は、頭にタンコブのような膨らみがあったのです。

今回の手術では、腫瘍内の液体を取り出すために、リザーバーチューブを腫瘍に突き刺して、頭皮下にポートを留置することになりました。

そのポートが、タンコブのように盛り上がっていて、とても可笑しかったのです。坊主頭になっているので、尚更目立ちます。

とはいえ、笑っていられるほど穏やかな手術ではなかったので、とにかく無事に生還してくれたことに、父にも、医師にも、感謝で一杯でした。

チューブはずっと刺さったまま

前回のブログでも書きましたが、この頭に突き刺したチューブは、時間が経つと詰まってくるようです。

手術から約1年半経過しましたが、これまでにも、何度もこのチューブを通して液体を取り出しました。

ところが、先月あたりから、全く取り出せなくなっているのです。

これまでは、オシッコの色のような黄色がかった透き通った液体がでていたのですが、最後に取り出した時は、血が混じって真っ黒になっていました。

腫瘍が悪化しているのか、それとも詰まってしまったことが影響しているのか。医者にちゃんと聞けていないので、詳しいことはわかりませんが、それ以降、父の様子は少し悪化しています。

なんにせよ、リザーバーチューブは父の頭に入ったままです。

基本的には、取り出すということはしないそうですが、余命よりも長く生きていることだし、今後、どしていくのは気になるところです。

おわりに

なんにせよ、今回の穿頭手術も無事に終わりました。

今では、腫瘍内の液体が取り出せない状態となっていますが、この手術のおかげで父は余命よりも長生きできているのだと思います。

とりあえず、これで、2回にわたって行われた脳の手術も無事に終わりました。

しかし、まだまだこの病院には入院することになります。

直近では、脳脊髄検査が控えていましたし、ガンマナイフ治療もあります。

脳外科への入院は、なかなか大変です。