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【脳転移が発覚】肺がん切除後に現れた苦難(小脳・前頭葉)


ここからのブログは、私にとって非常に悲しい出来事であった、父の肺がんが脳に転移した話について書いていこうと思います。脳転移が判明してからというもの、本当に大変なことばかりでした。今でこそ、父の状況をかなり受け止められていると感じることができていますが、やはり脳転移が発覚した当時は大変ショックでした。思い出すことさえも辛いものがありますが、気を引き締めて書いていきたいと思います。

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父にできた脳腫瘍


私は、父の最初の脳外科の診察に付き添ったので、今でも、CT画像を見たときのショックは覚えています。前頭葉と小脳の2か所に、ゴルフボール大の腫瘍ができていたのです。この画像を見たときは、さすがにやばいと思いました。

それはもう、有無を言わせない程にくっきりと写っていたのです。肺のレントゲンのように、もしかすると腫瘍ではないのではという希望的観測すら持てる余地はありませんでした。あまりにも大きな腫瘍だったことから、腫瘍を患う父ではなく、付き添った私が気を失いそうになったほどです。

肺がんで脳転移が発生する可能性は高いのに、なんでその兆候にもっと早く気づいてやることができなかったのか。当時のことを思い出すと、今でも悔しい思いが募ります。

肺がん手術から1年半経ってからの脳転移


父が肺がんの切除手術を受けたのは平成27年10月でした。そして、脳転移が発覚したが平成29年6月です。肺がんの手術から1年半以上も経ってから脳転移が発覚したのです。

それなりの時間が経っていたことからも、当時の私は、父の肺がんはもう寛解したものだと完全に思い込んでおり、これからはずっと元気でいてくれるものだと思っていました。人間とは不思議なもので、あれだけ大変だった肺がんの症状を見ていたにもかかわらず、喉元を過ぎてしまえばすぐに油断し、当時の危機感なども失ってしまいます。

切除される前に脳へ飛んだ肺がんの細胞は、私が気を抜いている間に、確実に成長していたのです。完全に油断していただけに、脳転移発覚のショックは大きいものでした。

元気だった父が変わっていく


元来、私の父は、とにかくバイタリティーにあふれ、頭もかなり切れる人でした。私が小さいころには、いつ休んでいるのだろうと思う程に常に全力で働いていましたし、相談すれば常に的確なアドバイスをしてくれる人でした。物事に対する嗅覚も鋭く、好機とみるや全国どこでもすぐに駆けつけるフットワークの軽さも持ち合わせていました。

そんな父でしたので、肺がんが発覚しようとも、私たち家族の心配など露知らず、常に前向きかつ楽観的でした。手術をして肺を切除してからでさえも、体をめいいっぱいに動かせる体力がまだまだありました。


ところが、脳転移に至っては、そんな活発だった父が、日を追うごとに変化していくのです。現在はでは体力的な衰弱も大きく進みましたが、それよりも、性格、生活パターン、趣向、方向感覚、時間の感覚などに変化が現れだしたのがショックでした。

とにかく、全てが以前の父ではなくなってしまったのです。昼夜は逆転し、携帯電話やパソコンが使えなくなり、偏食が目立ち、道に迷うようになり、ボーっとしている時間が増えてきたのです。そして、それらは少しずつ、確実に悪化していくのです。(これら、父の変化については、今後のブログで、より詳しく書いていこうと思っています。)

悲しい父の文章


最近も悲しいことがありました。父のパソコンを廃棄するため、HDDの中身を整理していたところ、父がパソコンを使えなくなる直前に作成していたワードのファイルを見付けました。読んでみると、少しずつ父の書く文章が壊れていくのです。何日間かかけて書いていた文章だと思うのですが、途中から文が少しずつ崩れだし、次第に同じ文節を何度も何度も繰り返し書いていました。そして、最終的には、「ああああああ…」のように同じ文字がずっと続くかたちで終わっていたのです。

いったい、何を書こうとしていたのか。少なくとも、父は自分が書けなくなっていることに気づきながら、苦しみながら、何かを書こうとしていたのでしょう。父の脳転移が発覚してから1年以上経過しており、私なりに現状をかなり受け入れられていたと思っていたのですが、これを見た時はさすがに悲しくなりました。

脳転移患者をとりまく家族の苦労


これまでのブログでも書いてきたとおり、肺がんで苦しむ父を見るのでさえ相当辛いものがありました。血を吐き、全身がむくんで歩けなくなった父を見た時には、もう死んでしまうと思っていました。それはもう、絶望的な心境でした。

しかし、脳転移によって症状が悪化していく様子を見るのも、別の意味で耐えられない苦しみがあります。これは、認知症などを患う家族を持つ方々にも共通するところがあるかもしれません。

とりわけ、脳という、人間であることを司る部位の腫瘍ということから、がんを抱える父本人だけではなく、支える側である家族の辛さも、他の癌とはその性質が大きく異なるのではないかと思います。とくにこのブログは、あくまでも家族側の視点に立ったブログであり、その点に大きな意義があると思っています。そのためにも、父の症状だけではなく、家族側の苦労もしっかりと書ければと思っています。

まとめ


以上、脳転移については、書き出すと止まらないほどにいろいろと書きたいことがあります。しかし、まずは次回のブログより、脳転移が発覚したについて前兆(前触れ)に書いていこうと考えています。早く気づいていれば、より早く治療を行うことができたのではという、強い後悔の念があるためです。

悪文ひしめく本ブログではありますが、1人でも多くの人が、1ミリメートル、1マイクロメートルでも小さい段階で脳腫瘍を見付けられることに貢献できればと思っています。