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【脳腫瘍摘出】手術内容が決まる

父に肺がんの脳転移が発覚してからというもの、診察に行くということは辛いものでしかありません。腫瘍の画像、余命、ステージ、これからのこと、どれもが心に突き刺さります。

しかし、家族として、聞かなければならないときがあります。

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嫌な予感しかしない医師からの指名

入院し、手術日が近づいてくると、医師から説明があるので病院に来るように言われました。母親が毎日お見舞いに行っていたので、もちろん母親に行ってもらうつもりでした。

以前のブログでも書いたことですが、私は父に脳腫瘍があると発覚したときの診察に同行しました。そして、医師からの余命宣告(数カ月)で、貧血になって失神しそうになりました。

気の小さい私は、衝撃的なことを言われるとダメなようです。あの時は、なんとか堪えることができものの、もう診察には極力行きたくなかったのです。

ところが、手術前、担当医が私に説明を聞いて欲しいと言ってきたのです。なんと医者からのご指名です。

そもそも、私でないといけない理由がわかりせん。高齢の母親よりも若者の方が理解できるからなのか。

それとも、もし手術が失敗した時などは、インターネットなどでにわかに知識を付けた子供の方がうるさかったりするケースが多いとかで、先に子供を抑えておくということなのか。

いろいろ考えてみましたがよく分かりません。

なんにせよ、嫌な予感しかないこのご指名。軽い内容であれば、こんなことするはずがありませんしね。

小脳の腫瘍摘出を優先させる理由

不安はありましたが、医師からご指名であれば仕方ありません。

母親も毎日のお見舞いで疲れが溜まっているようでしたし、ここは息子の私が頑張らねばと、気を引き締めて父の病院に行ってきました。

7月ということもあり、凄く暑かったのを覚えています。病院に到着した時にはもうヘトヘト。なんとか病棟に到着すると、小さな部屋に案内されました。

早速、手術の説明が始まります。資料やパソコンで、とても分かりやすく説明してくれました。

父には、右前頭葉と左小脳にそれぞれ腫瘍があります。とくに、小脳の腫瘍は、このままでは、水頭症や脳幹圧迫などといった命にかかわる危険があるいうことで、こちらを先に摘出するということになりました。

手術を急がないと、かなり危ないといった様子が医師からも十分に感じ取れました。

なお、春ウコンが癌に効くと聞いて、こっそりと一週間前頃から父に飲ませていました。

もしかするとウコンの効果で腫瘍に変化が起きているのではと、内心期待していましたが、CT画像にはくっきりと大きな腫瘍が映し出されていました。

父の腫瘍はゴルフボールくらいの大きさがありましたし、効果を期待するのは時期尚早だったのかもしれませんね。

手術の内容

手術名は「開頭腫瘍摘出術」というものでした。その名の通り、小脳のある後頭部の骨を切り取り、外科的に腫瘍を取り出す手術です。

取った骨は戻すのか気になったのですが、それは無いと言われました。つまり、手術が成功しても、後頭部の骨はなくなってしまうのです。

手術の予定時間は5.5時間。非常に長い手術です。

もちろん、全身麻酔で行われます。

腫瘍の種類については、肉の塊のような場合と、液体を含んだ水風船のような場合があるそうです。手術してみないと、どちらかは分からないのですが、医者的には前者の方が手術はしやすいと言っていました。ちなみに、父の場合は後者の水風船でした。残念です。

粘液分泌性の腫瘍

父の脳腫瘍は、液体を内包するものでしたが、じつは、肺がんが発覚した時に行った気管支鏡検査でも、「粘液分泌性のがんが疑われる」という結果が出ていました。

このときは、「粘液分泌性のがん」なんて言葉に全く注目していませんでした。しかし、それが脳に転移し、液体を含んだ腫瘍として現れたことで、こういうことだったのかと後で納得できました。

転移しようが、細胞の性質は同じだということですね。

予想もしていなかった丁寧な説明

こんな感じで、1時間近くにわたり、しっかりと説明を受けました。

ここまで、マンツーマンで丁寧に話をしてくれるとは思わなかったのでびっくりしました。

いろいろと質問をしてもちゃんと聞いてくれましたし(何を聞いたのかはもう覚えていない)、最終的には来てよかったと思える説明となりました。

病院側も、命に係わる手術ということもあり、非常に気を使ってくれていたのだと思います。大変な仕事です。

また、重たい内容の診察に慣れてきたのかはわかりませんが、貧血になりそうな気配にはなりませんでした。

もちろん、絶対にヘマしないように、十分な睡眠を取り、食事と水分もしっかりと摂って挑みました。患者も大変ですが、説明を聞く家族もしっかりと体調管理をしなければなら体が持ちません。

最後に、手術の同意書にサインをして、病院を後にしました。

しかし、これは、2つある腫瘍の内の1つ目の手術です。それも、説明を聞いただけです。

まだまだ予断を許さない状況です。当時の本当に毎日が大変でした。よく頑張ってこられたと思います。

おわりに

今回のブログは、手術の説明のことだけになりましたが、説明を聞くだけでも相当な精神的ダメージを受けます。

しかし、それも、ある意味で慣れてきます。辛いから行きたくないという気持ちには、今でもなる事がありますが、気になるのであれば、なるべく自分で足を運んだほうがいいのかもしれません。

ただし、ショックを受けて、食欲不振になったり、睡眠不足になったりすると、説明を聞く体力もなくなってしまいます。

そんな状態では、私のように失神しそうになるという事態にも繋がりかねません。元気な顔で見舞いに行ってあげるためにも、どんな状況であれ、体調管理はしっかりしておいた方がいいです。

とにかく、脳腫瘍の手術だけは、患者だけではなく、付き添う家族も本当にクタクタになります。病院の先生も大変ですね。

そんなことを言いながらも、次回に書こうと思っている手術本番も本当に大変でした。精神的にも、肉体的にも完全に疲労しきってしまった一日となりました。