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【脳転移発覚の前兆7】偏食が起こる

これまでのブログにおいても、肺がんの転移性脳腫瘍を患った父についての様々な変化を紹介してきましたが、食事についても変化がありました。簡単に言えば偏食です。

この変化は、性格の変化と同じく、一緒に住んでいると気づきにくい変化でしたが、今思い出してみると、やはり明らかに異常な行動のあらわれだったと痛感しています。

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父のもともとの食生活

父は、どちらかというと洋食は好まず、質素な和食が好んで食べていました。

肉よりも魚、パンよりもご飯を好んでいたという感じです。むしろ、漬物とご飯があれば、それで食事が済んでしまうような人でした。もちろん、我が家が裕福ではなかったということもありますが。

食事量はそれほど多くはなく、朝昼晩に、きっちりと適切な量を摂っていたと思います。

間食などもなく、お菓子などもほとんど食べることがありませんでした。お酒が好きだったので、柿ピーくらいでしょうか。

「うどん」をやたらと食べる

ところが、脳腫瘍を患う頃になると、明らかにその食生活は大きく変わっていきました。

大きな変化としては、まず、「うどん」ばかり食べるようになったのです。

スーパーなどで安売りされている、生のうどんです。最近だと、20円位で売られていたりしますよね。あれをたくさん買ってきて、よく食べていました。主食となっていたと言っても過言ではありません。

たしかに、夜食などとしてたまに食べると美味しいのですが、あれを一日に何食も食べるのはさすがに飽きてしまいそうです。

しかも、ネギや卵などといった具も一切入れず、面とスープだけの質素なかけうどんです。

そんな、簡素に作られたな味気ないうどんを好んで食べるようになっていたのでした。せっかく母親がご飯を用意しても、「うどんを食べる」と言い、せっせとうどんを茹でていました。

もしかすると、本当にうどんに熱中していたのかもしれません。

私も、インドネシアに行ったとき、ミゴレンという現地の焼きそばのようなものを食べて、あまりの美味しさに感動したことがあります。これだけ食べてもずっと生きていけると思ったほどです。それでも、すぐに飽きてしまいましたが。

しかし、父のうどんについては、シンプルな「かけうどん」ですし、別にこだわりがあるわけでもありません。

麺も、安売りされているうどんです。どう考えても2食ほど続ければ飽きてしまうと思うのですが、そんな素振りは全く見せませんでした。

「バナナ」が大好きになった

うどんの他にも、バナナを好んで食べるようになりました。

今まで、父がバナナを食べるなんてあまり見たとがなかったので、このときは、さすがに変だなとは思いました。普通に、1房くらいは軽く平らげていました。

また、このバナナは、先述のうどんとはことなり、茹でる必要がないし、いつでもどこでも好きなときに食べられます。果物の王様と言われる所以は、この手軽さにあると言えます。味も美味しいですね。

それこそ、パソコンに向かってYouTubeを見ながら、口がさみしいと思ったら食べているような状態でした。

タバコで言うなら、チェーンスモーカーの状態です。私も、お菓子などを食べながらパソコンをしたりはしますが、父の場合は、本当にバナナだけに特化して食べていたのです。

もちろん、ごみ箱は、バナナの皮でいっぱいでした。

うどんについては、茹でたりして調理しなければならないので一定の手間がかかります。そのため、朝昼晩と一定の食事のリズムを保つことはできていました。

しかし、バナナを食べだすようになってからは、完全にそれが崩れてしまいました。

いつでもどこでも食べてしまうので、食事の時間になってもお腹は空いておらず、完全に父の食生活は乱れてしまいました。

脳腫瘍発覚前には食が乱れる

ちなみに、「うどん」と「バナナ」を食べている時期は同じではありません。

具体的には、うどんを食べ始めてからしばらくして脳腫瘍が発覚します。そして、手術をすることになります。

手術を終えてからは、うどんは食べなくなりました。

しかし、次はバナナを食べるようになったのです。

しばらくして、再び父は脳腫瘍が悪化することになります。

順番としては、

「うどんを異常に食べる」→「脳腫瘍悪化」→「バナナを異常に食べる」→「脳腫瘍悪化」

といった具合です。

つまり、これまでに2回の脳腫瘍の悪化がありました。(手術のことなどについては、いつかまた詳しく書きます)

いずれの悪化においても、食事の奇妙な変化が、脳腫瘍の前触れとして現れていたのです。

なぜ、食生活が乱れたのか[私の考え]

偏食の原因全てを脳腫瘍のせいにするつもりはありません。

しかし、一つの食べ物に執着して食べ続けるという行為は、やはり普通ではないと思います。

そこで、なぜ父がこのような行動に走ったのを、いろいろと考えてみました。ここからは、医学について門外漢である私の、完全なる個人的主観に基づく仮説なのでご注意ください。

①体が炭水化物(ブドウ糖)を欲していた

父が好んで食べていた「うどん」と「バナナ」は、どちらも炭水化物が豊富な食品です。

これらの食品はエネルギーが豊富なため、アスリート達も試合前に好んで食べています。スポーツ経験がある人なら、試合前にはたんぱく質を控え、パスタなどといった炭水化物中心の食事を心がけていたのではないでしょうか。

ところが、がん細胞も炭水化物を好んで取り込むという性質を持っています。

実際、がんの検査で使われるPET検査でも、この性質を利用しています。

ブドウ糖に近い成分の薬剤を投与してから全身を撮影し、薬剤が集積している箇所を目印に、がんの性質や場所を特定するのです。

つまり、私の父は、うどんやバナナを積極的に食べることで、必死に自分の脳腫瘍にエサを与えていたということです。

がんに糖質を奪われるので、父の体そのものが、糖分を補うようにと促していたと考えられるわけです。

運動した後などは、やたらと甘いものがほしくなったりするアレみたいなものです。

②悪性腫瘍が炭水化物を取るように命令していた

上記に関連し、がん細胞そのものが、父に糖質が豊富な食品を食べるように、何か信号のようなもの出していたともかんがえられます(脳については、完全に私の専門外領域なので、私のファンタジー的考察であることに注意してください)。

つまり、①では「父のからだ」が糖質を欲していた、②では「がん細胞」が糖質を欲していた、と言えるかもしれないということです。

もちろん、脳腫瘍によって父の生活スタイル全体が崩れていたので、うどんやバナナにあらわれた偏食は、食生活が乱れていたことによる2次的な行動なのかもしれません。

こうやって考えだすと切りが無いのですが、父の症状で確実に言えることは、異常な食生活を示してからすぐに、脳腫瘍が悪化・発覚したということです。

まとめ

食生活の変化は、一緒に住んでいるからこそ気づいてあげられる変化です。

これは、脳腫瘍に関係なく、さまざまな病気のサインだと思うので、気を付けてあげることが大切です。

とくに、父のように特定の食べ物に固執して食べ続けるという行為は、あきらかに何かが起こっていると思った方がいいと思います。

たとえ、何も起こっていないとしても、いずれは糖尿病などを発症して体を壊します。

なお、私は別に、がんを抑制させるために糖質を制限することをを勧めているわけではありません。

たしかに、がん細胞が糖質を取り込む性質はあるかもしれません。しかし、まずはバランスの良い食事を規則的に摂取することが、健康への一番の近道だと思います。

あくまでも、父のような異常な食事には気を付けていただければと思う次第です。